行ってみよう京都・滋賀・奈良

奈良 西の京



 奈良の4月は、西の京(平城京の西)からはじめましょう。近鉄西大寺から橿原方面行の普通に乗って、西の京駅で降ります。駅を降りて、北に向かえば唐招提寺、南に向かえば薬師寺になります。先ず、唐招提寺を訪れます。このお寺は鑑真和上が建てた律宗の総本山です。最初は私立の修行道場としてはじまり、やがて時代を代表する寺院になりました。入口をはいると、正面に本堂が見えます。明治に再建された本堂の傾きがひどく、平成22年にふたたび再建されました。

本堂 礼堂
本堂 礼堂

 お寺の東北に鑑真和上のお墓があります。鑑真和上は六度の渡海をして、日本に来た高僧でした。『天平の甍』に詳しいのでお読みください。楊州大明寺の大僧正が多数の弟子を引き連れて、仏教を伝来した苦難が描かれています。仏教と言うより、中国の先進文化を紹介したという表現が正しいと思います。医学・薬学・音楽など多岐にわたります。国宝の鑑真和上像は彼の生き写しの姿であり、芭蕉の「若葉もて おん目の雫 ぬぐわばや」という句も思い出され、いつ見ても感動します。

鑑真和上御廟 楊州大明寺
鑑真和上御廟 楊州大明寺

 唐招提寺から南に10分歩くと薬師寺につきます。薬師寺のシンボルは東西の塔です。南門から入るといいのでしょうが、駅から歩くと北側から拝観することになります。藤原京に建立されていたお寺ですが、718年平城京に移築されました。名前のとおり、薬師寺は今でいう病院・薬局を兼ねていた病気平癒を祈願するお寺です。今でも健康第一を考えますが、当時の為政者にとっても健康は何よりも大事だったことでしょう。金堂に安置されている薬師三尊像は素晴らしい仏像です。

東塔 金堂
東塔 金堂
大講堂 回廊
大講堂 回廊

 薬師寺の北側には、玄奘三蔵院があります。『大唐西域記』を書いた玄奘三蔵の遺徳を称え、八角のお堂を囲んだ建築物です。玄奘は洛陽の南に生まれ、インドに経典を求める大旅行をしました。『西遊記』の三蔵法師のモデルになった人物です。長安の南大慈恩寺で持ち帰った仏典の翻訳につとめました。西安の大雁塔があるお寺です。ここには平山郁夫のシルクロードの会画が展示されています。シルクロードを愛し、玄奘の大旅行をたどった素晴らしい作品をぜひご覧ください。

玄奘三蔵院 西安の大雁塔
玄奘三蔵院 西安の大雁塔