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『シカ害学習in京大芦生研究林2015』

「野生生物と人間社会の共存」企画
『シカ害学習 in 京大芦生(あしう)研究林2015』
 教職員ネットワークは、2015年10月11日(日)に、芦生研究林フィールドワークを実施しました。参加者は午前9時に京都駅南の観光バス乗り場をマイクロバスで出発しました。今回の参加は5大学23名(名古屋大生協の3名は途中合流)となりました。第2回目となる今回企画も京都大学農学研究科の高柳敦先生にお世話になりました。
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 途上、「美山かやぶきの里」を過ぎて間もなく立ち寄った「美山おもしろ農民倶楽部」ではシカやイノシシのソーセージや肉を販売しており、おみやげに買った参加者は車内の冷蔵庫で保管することにしました。そのあと昼食会場の「田歌舎」では、ロッジで高柳先生から事前講義を受けたあと、田歌舎オーナーの藤原さんから敷地内を回りながら地元でのシカの生態と狩猟について説明を受けました。

敷地内では半年前につくられた「解体作業所」を見学しましたが、メンバーが捕獲したもののほかに提携しているハンターからも仕入れたシカなどをそこで捌いているということでした。こうして「害獣」として駆除されたシカの肉は京都市内のレストランなどに卸されるほか、敷地内のレストランでメニューが提供されます。当日はシカ肉のキーマカレー、サフランライス、シカ肉のロースト、2種類のパンとレバーのパテ、チーズなどが出され、おいしくいただきました。
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 芦生研究林にはバスに乗車したまま「長治谷(ちょうじだに)」に入り、そこから徒歩で奥地にすすみました。途中、二つの小川を渡って到着した13へタールをネットで囲む防護エリアは2006年に設置されたものですが、その年の秋に突然ススキが消滅した結果、それまで毎年姿を見せていたノジコやアオジなどの渡り鳥が激減する事態となっていたということです。その後ススキの植生回復に3年程度を要しましたが渡り鳥の数は確実に回復傾向を示したということです。しかし一旦シカによる害を蒙ったエリアの再生には長い年月が必要とされるようです。
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 高柳先生は芦生をはじめ各所で「防シカ柵」の設置・指導によって被害を食い止めながら野生動物との共存をめざして完璧な対策の実現にむけて改良を重ねておられます。そのさい、『加害動物の気持ちになって』対策を講じ、『絶対シカを入れない』との決意を貫徹することが強調されました。最新規格の防シカ柵については、網目5cm角以下の化繊ネットを3m間隔の支柱(2m以上高)に網目を水平方向に張り、地上1mまではステンレス補強のネット、接地部分は30cm以上外側にはみ出した上50cm間隔のペグ打ち込みで固定するという徹底したものです。そのほか「小実験区」では柵で囲った6m四方の6つの柵を、毎月の開放日数をそれぞれゼロ、2、4、8、16日、全面開放に設定して、シカが植生におよぼす影響が研究されていました。
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 今回参加することによりシカ害の現状を目の当たりにするとともに全国レベルでの抜本的対策の必要性について実感をもって学ぶことができました。また駆除されたシカ肉の有効活用サイクルが自然保護に繋がっていくこと、シカ害の現状について多くの組合員に伝えともに考えていくことの大切さを再認識することができました。(事務局 芝田)
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