インタビューこの人に聞く

「協同金融の現在と未来」法橋聡さん(近畿ろうきん地域共生推進部長)

お話し 法橋 聡さん(近畿ろうきん地域共生推進部長)
聞き手 名和又介先生(京都事業連合理事長、京滋・奈良ブロック会長)
法橋さんには協同組合論の寄付講座にご協力いただき、講師も務めていただいた。授業の中で協同金融の紹介とその使命を熱く語っていただいた。金融の有効性に目を開かれた思いである。このインタビューの中でも協同金融のあるべき姿や可能性を示唆していただいた。協同組合の幅の広さと連帯の大きさを感じた次第である。大学生協にできること、大学生協でしかできないことを考えながら、協同組合の連帯を目指していきたいと思っている。

名和  大学生協の寄付講座『協同組合論』では、近畿ろうきんさんに協賛いただき、また法橋さんには講師としてご協力いただきました。この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。
 学生が書いた協同組合論講座のレポートを見てあらためて協同組合金融の役割を再認識しました。そもそも協同組合論の講師に法橋さんを推薦いただいたのは賀川記念館長の賀川督明さんでしたが、賀川さんご自身も協同組合金融の重要性を説いておられたと思います。
「協同金融」の預金残高が民間金融機関全体の4分の1以上を占めており、そのなかでも信用金庫や農協の存在が大きいんでしょうが、そういう位置づけについては学生だけでなく多くの人たちが知らなかったと思います。2008年に「リーマンショック」が起こったとき、やはり協同組合金融がもっと影響力を持たなければならないと感じました。
 ところで法橋さんが労金というステージに積極的に打って出られたきっかけはなんでしょうか?またそれは法橋さんの生い立ちとどういうかかわりがあったのでしょうか?

法橋 どう見てもベタな関西人なんですが、実は生まれは東京です。親はもともと神戸出身で、仕事の関係で東京に行っていた時に私が生まれました。そのあと小学校3年のころ神戸に戻ってきたんですが、当時、聴きなれない東京弁を私がしゃべるものですから神戸の下町の「悪ガキ」たちから寄ってたかって小突かれたりしました。しかし、もともと順応性で生きているので、一週間もすればすぐに関西弁をしゃべってたように思います。私が住む下町は、戦争の傷跡、貧困、失業など、いろんな矛盾や課題を抱える街でもありました。

名和 私も大阪の大学に通っていたわけですが、そこでも在日や中国出身のみなさんが多く身近な存在であったと思います。そんななかで法橋さんの正義感がつくられていったわけでしょうか?......


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