活動方針①:組合員が参画する場づくり

私たちは、組合員が大学生協に参画する場面をつくり、組合員・大学が必要とし、組合員が参画したくなる大学生協づくりを進めます。

ブロックで大切にしたいポイント①

組合員のつながる機会をつくり、コミュニティを広げていきましょう。

【説明】

 コロナ禍において他者とのかかわりが少なくなり、人とのつながりを求めている組合員が多くいる現状があります。大学生協は組合員の共通のニーズや願いを実現することを目的としており、組合員一人ひとりのニーズや願いを知ることを通して、共通のニーズや願いを持つ人々につなげて、コミュニティを広げていく組織です。それぞれのコミュニティ内にはそれぞれの生活実態や現状があるため、コミュニティ単位でのニーズや願いを把握し実現することで、コミュニティを元気にしていきましょう。

【行動提案】

・組合員同士で大学生協の良さや魅力を伝え合うことを通して、コミュニティ形成のきっかけにしましょう。

・組合員同士のつながりの場をつくり、そのつながりを活かした取り組みを行いましょう。

・総代活動や新学期活動でできたコミュニティ内での人とのつながりを活かし、コミュニティ内の交流やつながりを活発にしましょう。

ブロックで大切にしたいポイント②

連携を意識し、大学生協内だけでなく大学、地域や他大学生協、他団体と協力し組合員のよりよい生活を目指しましょう。

【説明】

 現在、組合員自身の役割を認知している組合員が少ないという現状があります。大学生協は組合員自身が「出資・利用・運営」する組織です。組合員の運営参加を広げていくためには、まず「組合員の実感」を広げることが必要不可欠です。

 組合員の実感を広げるためには、職員や組織委員会のメンバーが大学生協について「知り・知らせ・考え・話し合い・行動する」ことが大切になります。組合員をど真ん中に置き、みんなで議論することで、より組合員の現状に即した取り組みを行っていきましょう。組合員の不安に寄り添う事が大学生協への信頼を生み「運営参加」へと繋がります。

 また、大学生協を継続的に利用してもらうことが大切です。関西北陸ブロックでは店舗や食堂を活用した魅力的な取り組みが多く、組合員の「利用」を実現することが出来ている一方で、「運営参加」する組合員は多くはありません。そのため、継続的に良さ・魅力の発信を行い、生協について知り・考える機会の提供をしましょう。大学生協を理解し、利用する中で生まれる組合員自身の想いを知らせ・話し合い、伝えられるようにするため、組合員が声を届けやすい仕組みや環境づくりに努めましょう。

 

【行動提案】

・組合員が声を届けやすいような環境づくりを心がけましょう。

・組合員が大学生協について知り、魅力や良さを感じる機会を作りましょう。

・組合員の運営参加を推進するために、継続的な「利用」を実現しましょう。

・組織委員会が自立するために、職員・学生事務局とのつながりや、会員生協間の連帯を強めていきましょう。

ブロックで大切にしたいポイント③

連帯の力を生かし学びあい・高めあうことで、大学生協の魅力をさらに高めましょう。また、大学・関係団体・地域そして社会から信頼される生協にしていきましょう。

【説明】

大学と大学生協は「学生支援」という共通の課題を有しています。大学生協は大学での福利厚生を担う組織として、取り組みを通じて組合員の生活実態を把握しています。一方、大学は教職員や学生といった大学の構成員に直接アプローチできます。大学生協と大学が協力・協同することにより、お互いの強みを生かした取り組みにつながります。大学と大学生協の連携を通して、「学生支援」を行いましょう。

 また大学生協は組合員の大学生活を充実させるために活動していますが、組合員の大半が大学生である以上、充実した生活の達成度には限界があります。そのため大学や他団体と連携することで組合員のより充実した生活を目指しましょう。

 

【行動提案】

・大学と定期的に話し合う場を設け、組織委員会が行っていることや学生の生活実態・実感、互いの現状や意見を伝えあい、学生支援につなげていきましょう。

・情報共有や意見交換などを通じて、大学生協内の結びつきを強めましょう。

・購買生協や共済生協、福祉・医療生協などの地域生協と協同し、地域全体でたすけあいましょう

活動方針②:健康安全

安全・安心にキャンパスライフを送り、健康な心身で何事にもチャレンジしていける組合員。

実現に向けて1
心身の健康について目を向けることが、大学生活の充実やその先の将来にもつながっていることを気づけるよう、実態に応じた取組みを広げていきましょう。

(ア) 健康づくりの取組みを行い、組合員に健康へ意識を向けてもらいましょう。
▶病気・スポーツ事故・自転車点検・メンタルヘルスなどの予防活動を行いましょう。
▶組合員が参加しやすい工夫を行い、企画の後も組合員自身が予防の活動を行ってもらえるような、行動してもらえるような取り組みを行いましょう。

(イ) 大学の特徴や季節に応じた予防活動に取り組みましょう。
▶自大学生協の給付状況に沿った予防活動や季節の病気・ケガにあった予防活動を行いましょう。
実態をとらえた予防活動を行うことによって、より健康で安全安心な大学生活の実現に近づきます。
▶季節やキャンパスの特徴に応じて、自転車点検や災害から身を守るための活動をすすめましょう。

(ウ) 生協食堂などの場や食育の活動で食事の一つ一つが身体を作っていくことを知ってもらいましょう。
▶食に関する活動は行えてますが、「今の食べているものが将来の自分の身体につながっている」ことを理解し、食生活の改善をする、というところまでは到達できていません。組合員に行動してもらえるような取り組みを行いましょう。
▶将来の健康を意識するために必要な、今の段階からの健康への意識と知識を持てるようにしましょう。
▶大学は社会に出る前の最後の学ぶチャンスです。社会に出てからも自分自身で健康管理ができるように、組合員が学ぶ機会や行動できるきっかけを作っていきましょう。

実現に向けて2
怪我や病気になっても対応でき、何事にもチャレンジできる組合員を増やすため、共済4本柱を意識した活動を通じて、組合員に「たすけあいの輪」を広げましょう。

(ア) 共済の制度について、大学生の学業継続のために必要な保障制度であることへの理解をしてもらいましょう。
▶学生総合共済が大学生特有の病気や怪我に特化した保障内容であることを理解してもらえるよう提案を行いましょう。
▶具体的な制度説明と同時に、大学生の生活実態や給付状況などのデータを提示しつつ説明しましょう。

(イ) 共済の認知度を上げ、給付申請忘れを未然に防ぐため、組合員自身が共済に加入しているかを確認できるようにしましょう。
▶健康チェックなどの取組みにおいて、共済加入が確認できるブースを作るなどの工夫を行いましょう。
▶給付申請忘れの人を防ぎ、必要な時に共済を利用できるような取り組みを行いましょう。

(ウ) 共済の「たすけあいの輪」を実感できるような取組みを行いましょう。
▶たすけあいの制度に参加しているということを実感できるような報告活動を行いましょう。また、会員生協としても「たすけあいの輪とは何なのか。」を学びましょう。
▶たすけあいを実感した受給者の声を大切にしましょう。声を広く伝えられるような工夫をしましょう。
▶給付事例学習会を中心とした学生委員会内学習会や組合員参加の学習会を行いましょう。
  ― 部内学習会はもちろんのこと、組合員を巻き込んでの共済学習会も行いましょう。

実現に向けて3
キャンパス内のすべての人が健康な生活を送れるよう、大学保健管理施設との連携や、ブロックや行政、医療生協をはじめとする健康に関する活動と連携して、活動をレベルアップさせていきましょう。

(ア) 行政や大学の保健センター等と共催で食生活相談会や健康啓発活動などの取組みができるようにしましょう。
▶保健所をはじめとする行政や、保健センターをはじめとする大学等の団体も「大学生活を健康で安全安心に過ごしてほしい」という想いは一緒です。協力することによってさらに共済活動の幅を広げられます。
▶専門的な知識や経験を持つ団体と連携することで、正しい病気の防ぎ方、軽いけがの処置方法、健康生活の送りかたなどを学びましょう。

(イ) 健康な食生活を送れるように、生協店舗を活用しましょう。またブロック連帯も活用しましょう。
▶生協食堂は栄養評価等を表示したプライスカードに加え、レシートにも表記されることを「栄養士便りの活動」等、様々な場面でアピールしましょう。
▶職員と学生がともに、健康的な食生活がどれだけ大切かを実感できる取り組みを行いましょう。
▶食生活相談会などはブロックや事業連合と連携することで、活動の可能性が広がります。
 (管理栄養士による相談会の開催や、食生活ガイドポケットノート等の資料の活用)

ありたい姿(3) 学びと成長

日々のキャンパスライフに対して目的・目標を持ち、将来なりたい姿に向けて成長し続けていける組合員。

実現に向けて1
組合員が大学生活の実感や経験を自分の言葉で伝えることで、次世代の組合員が目的・目標を持ってキャンパスライフを過ごせるような機会を作りましょう。

(ア) 新入生が、キャンパスライフを具体的にイメージした上で新生活が始められるような提案を行いましょう。
▶次世代の組合員が大学生活への期待を持ってもらえるよう、組合員一人ひとりが自分の言葉でキャンパスライフの魅力を伝えられるようにしましょう。(オープンキャンパスなど入学前の場面も含めて意識しましょう。)
▶新学期サポートセンターや保護者説明会などの場面では、自分自身の大学生活について実感を大切にして伝えていきましょう。
▶「コトモノ提案」を意識し、大学生協の商品やサービスだけではなく、大学生の生活実態をまるごと伝えることで、大学生活のイメージを持てるような提案活動を行っていきましょう。

(イ) 学生組合員が入学時になりたい姿をイメージできるような取り組みや提案活動を行いましょう。
▶先輩の経験談を聞くなど、入学から卒業までの大学生活をイメージでき、自分がどんな生活を送っていきたいかを考えることができる支援を行いましょう。
▶自分のなりたい姿を描き、近づくためのツールとして、ビジョンナビセミナー・SEQの活用や紹介を進めましょう。
▶どのような想いや願いをもって大学に入学する組合員がいるのか、学部や学科など細かく分けて分析し、組合員にあった取り組みを行いましょう。

実現に向けて2
学生組合員が新生活のスタートから継続して、なりたい姿をイメージでき、達成感を持ちつつ目標に向けて行動できるよう、考える場面を作っていきましょう。

(ア) 「コトモノ提案」で終わらない学年に応じた「コトーモノーコト」提案を進めていきましょう。
▶「コトーモノーコト」の活動では、大学生協が提供した商品やサービスが、しっかりと大学生活の中で活用されているかを把握し、適切なサポートを行いましょう。そのために、組合員の動向をしっかりと把握しましょう。
▶組合員が目標達成を意識できるようなキャリア形成プログラムの提供や、PC講座の実施などの工夫をしましょう。

(イ) 学生組合員が「なりたい姿」へ向け、大学生活全体やその先のキャリア形成を具体的に考えられるようにしましょう。
▶進級や留学、ゼミ選択、進路選択など大学生活の「節目」にあわせたサポートを行い、定期的に「なりたい姿」を振り返られるようにしましょう。
▶ビジョンナビゲーションセミナー受講者が定期的に集い、それぞれのビジョンの移り変わりや行動について共有する場面を作るなど、自身のキャリアについて見つめなおす機会を作っていきましょう。

実現に向けて3
生協で取り扱っている商品やキャリア事業・活動を発信したり、大学と連携したりすることで、大学内のすべての人が、自身の学びや成長に必要な情報や機会をもてるように工夫しましょう。

(ア) 組合員のなりたい姿を実現するための手段として、生協が扱っている商品やサービスを提供できるようなコトモノ提案を行いましょう。
▶大学生協が取り組む「学びと成長」事業について、コトモノ提案を軸に展開を進めていきましょう。
▶書籍店舗での読書推進の取組みを通じて、すべての階層の組合員が新たな知的経験ができる機会をつくりましょう。
 (読書マラソンの取組みやビブリオバトルの取組みなど)
▶旅行・サービス事業では、体験プロデュース型の旅行プログラムや資格講座などの提案を通じて、すべての階層の組合員が、新たな経験との出会い、成長の場、生涯学習の機会となるような展開を広げていきましょう。

(イ) 院生・留学生や社会人など、様々な階層の人たちとつながることのできる活動を推進しましょう
▶大学生協のコミュニティ形成を通じて、卒業後の社会人と学生組合員の出会いの場などを設けていきましょう。
▶学生委員会や院生委員会などの組織委員会活動に関わる組合員同士のつながりも生かしましょう。

(ウ) 大学のキャリアセンターなどと連携することで、必要な情報や機会を提供できるようにしましょう
▶保護者説明会でキャリアセンターと連携した提案を行ったり、就活支援企画をキャリアセンターと共催で行ったりするなど、大学と生協が連携し、組合員が学び成長する機会を作っていきましょう。
▶大学が掲げる理念や教育プログラムを把握し、大学が提供する教育課程に応じた、学びと成長の場作り・機会提供を進めていきましょう。そのために、大学との情報交換も密に行いましょう。

ありたい姿(4) 社会に生きる

社会の一員であることを意識・実感し、自分の考えを広げ、行動につなげていく組合員。

実現に向けて1
組合員が社会の一員であることを実感できるよう、平和・環境をはじめとする様々な社会的課題について考える視点を増やすきっかけを作りましょう。

(ア) 掲示物や企画、店舗などを通じた、平和、環境などの社会の動きを知る機会づくりを進めましょう。
▶大学生協が行っている平和活動や、激甚災害支援・防災などの取組みを、ポスター掲示や店舗活動、機関紙やSNSなどでの発信を通じて組合員に広く知ってもらうように工夫しましょう。
▶社会の動きや時事問題などに組合員が関心を持てるようなきっかけを定期的・継続的に発信していきましょう。
ちょっと気になるテーマを集め、ポスター等で発信していくような活動を進めていきましょう。
(ちょっと気になる社会的課題の情報をお知らせするボード「ちょっきにボード」の活用などが挙げられます。)
▶社会の動向に応じた情報発信をすることで、効果的に視点を増やしていきましょう。
災害発生時の募金活動や、選挙直前に18歳選挙権に関する周知活動などに取り組みましょう。

(イ) 大学生協の既存の事業や活動の中で、社会に目を向けてもらう機会を「ちょい足し」していきましょう。
▶レジ袋削減活動や、リ・リパック回収、ゴミ分別など、生協店舗などで手軽におこなえる環境活動を、組合員に周知することで、環境問題に対する関心をもってもらう機会を作っていきましょう。
▶大学生協購買でフェアトレード商品を販売したり、食堂でTFT(Table For Two)メニューを販売するなどの取組みを通じて、日常的な生協利用の場面で、社会の課題に目を向ける組合員を増やしていきましょう。
▶大学生協が主催する人が多く集まる場面(保護者説明会や新歓企画、総代会など)で、避難経路を説明したり、ゴミ分別の提起をすることで、身近なところから社会的課題に考える機会を増やしていきましょう。

(ウ) 学生委員会をはじめとする組織委員が、社会的課題について学び、考え、広げていきましょう。
▶Peace Now!や被災地訪問企画など大学生協が実施する学びプログラム・セミナーの参加者が中心となって、組合員に広く伝える活動を進めていきましょう。
▶学生委員会内で、社会的課題について学び、考えを深め、交流する場面を作りましょう。
▶学生委員会が中心に、組合員が社会的課題を多面的に捉えられるような情報発信をしていきましょう。
▶特に、成年年齢引き下げや奨学金など学生生活に身近な社会動向から考える機会を作ってみましょう。

実現に向けて2
社会の一員であると実感した組合員が、大学生協の事業や活動を通じて、周りの組合員や社会に対して行動が起こせる機会づくりを工夫しましょう。

(ア) 生協購買や食堂の日常利用の場面を通じて、社会に影響を与えられるような活動を進めていきましょう。
▶大学生協購買でフェアトレード商品を販売したり、食堂でTFTメニューを販売するなどの取組みを通じて、日常の生協利用において、社会へ影響を与える行動を選択できるようにしましょう。(エシカルな消費をテーマにした店舗活動など)
▶大学生の消費行動によって、自分以外の人や社会を変えていく「消費者市民社会」のマインドを広げましょう。
▶リ・リパック回収などの組合員が直接的に参加していけるような取組みを進めましょう。

(イ) 社会的課題について考える組合員同士の交流を増やし、持続可能な社会に向けて第一歩を踏み出しましょう。
▶ワールドカフェなど、社会的課題について考える組合員の輪を広げていけるような取組みを進めていきましょう。
▶組合員一人ひとりが、持続可能な社会をつくる一員として、どのようなことができるのか考える機会を作りましょう。
▶組合員同士の交流の場面を作ることで、一人ではできなかった行動を、協同を通じて起こせるような活動を進めましょう。

実現に向けて3
社会の一員として組合員が学び行動できる場面を作るため、大学内の教職員や各種団体との連携、協同組合間協同や連帯の場を積極的に活用していきましょう。

(ア) 大学や教職員と連携し、平和・環境・防災などのテーマについて、深く学べる機会を作りだしていきましょう。
▶大学での専門的な学びを生かし、より深く考えられる機会を設けましょう。
▶自分自身の大学での学びが、社会とどのようにつながっているのかを考える機会を作りましょう。

(イ) 連合会やブロック、府県連等が企画・運営する「社会的課題に関するセミナー」に参加し、学ぶ活動を増やしましょう。

(ウ) 協同組合間同士で連携して、組合員が学べる場面を増やしていきましょう。
▶地域生協や各種消費者団体が提供する学びの場に、学生委員中心に積極的に参加してみましょう。

(エ) 学生団体との連携や大学の講義などとも連携して、学び行動できる組合員を更に増やしていきましょう。
▶教職員総代・理事や、学生総代との関係を生かして、社会に目を向ける機会を広げていける工夫をしましょう。
▶18歳選挙権や成年年齢引き下げなど、社会の動向に応じた活動を広げられるように、各種連携を生かしましょう。